2018年10月13日

みんなちがって、みんないい

このフレーズは金子みすゞの詩で有名になった。

 「私と小鳥と鈴と」

 私が両手をひろげても、
 お空はちっとも飛べないが
 飛べる小鳥は私のやうに、
 地面を速くは走れない。
 私がからだをゆすっても、
 きれいな音は出ないけど、
 あの鳴る鈴は私のやうに
 たくさんな唄は知らないよ。
 鈴と、小鳥と、それから私、
 みんなちがって、みんないい。

確かに、詩としてはいい。
シンプルで、最後のフレーズがよく生きた詩である。
しかし、現実は「みんなちがって、みんないい」わけではない。

第一、「皆それほど違わない」からである。
利害や立場が同じ人間は同じ意見を持つことが多い。
いや、十中八九そうである。
意見が違う人の話をよく聞くと、実は利害が違ったというケースが大半だ。

第二に、「みんないい」ことには決してならない。
利害や立場が違えば、調整は不可能である。
片方が得すれば、片方は損をするからである。
結果的に喧嘩(裁判や選挙)で答えを出すしかないのである。

「みんなちがって、みんないい」のは、どうでもいい話しかない。
好きな芸能人、行きたい場所、食べたい料理・・・要は好みや趣味の話だけである。

詩はファンタジーである。
ファンタジーはファンタジーで楽しいのだが、現実とは相容れない。
逆に言えば、現実と相容れないからいいのである。
「みんなちがって、みんないい」を謳い文句に非現実な考えを持って欲しくないものだ。

posted by なすび at 11:50| Comment(4) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする