2015年08月06日

「軽井沢うまいもの暮らし」

玉村豊男のエッセイをよく読んでいた。
個人主義、快楽主義的な彼の性格や生活に共感していたからだ。

彼は40前に過労で入院し、それを期に東京から軽井沢に移住した。
別荘地に自宅を建て、エッセイを書き、テニスや料理を楽しみ、自然に親しんだ。
地元の人とも社交をし、軽井沢という文化的な地方都市でサロン的生活をしていた。
都市部で働く一介のサラリーマンとしては、彼の自由で豊かな暮しが羨ましくてしかたがなかった。

玉村は軽井沢で自然や農作業に親しむうち、本格的に農業をしたくなったようだ。
長野の山間部に広い土地を買い、大きな家を建てた。
畑を広げ、人を雇うようになった。
ワイン用のブドウを作り、自分で作った農作物を用いたレストランをオープンし、土産物も置くようになった。
玉村豊男のテーマパークである。

玉村はフランス留学経験もある海外通で、料理通でもある。
TVでコメンテーターをする程度に社交性も持ち合わせている。
やりたいことを広げて行ったら必然的にそうなったのかもしれない。
このテーマパークがビジネスとして成り立っているとも思えず、エッセイ仕事からの持ち出しだろう。
夢が大きく広がり過ぎたのかもしれない。

ここまでくると私の望む生活からは乖離する。
私は非社交的な怠け者だ。
私には自然と利便性を併せ持つ軽井沢の小さな別荘暮しがちょうどいい。
旨いものを食べ、自然やスポーツに親しみ、ときに交友する。
その時代の玉村の生活を記したエッセイが「軽井沢うまいもの暮らし」である。
いまでも手元に置いて読み返すことがある本だ。



posted by なすび at 19:08| Comment(4) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする